• hkawashima

研究員リーダーと人事担当の致命的な温度差

最終更新: 4月3日


「過労死」という言葉が一般用語となり、かつ今現在も死語にならないのは何故だろう?

平成7年の田辺製薬(現田辺三菱製薬)の「研究員」男性の通勤途上の急死から始まり、

『残業』が原因で電通の「高橋まつり」さん(24歳)が自殺したニュースで再び問題意識が高まっている。

なぜ、田辺製薬の事件から20年以上たった現在でも革新的な解決策が出てこないのだろう。賢明な人事部の方で『働き方革命』を意識していない人はいないだろう。今日では「残業削減」「タイムマネジメント」「労働生産性の向上」という単語が雑誌やニュースに出てこない日はないが、最近の労働問題の研究では、そもそも『相談できない』という単純な理由が最大の原因と言われている。

田辺製薬の過労死事件では、人事担当と研究員リーダーの致命的な温度差が原因だと言われているが、今回は両者のコミュニケーションの摩擦について考察していきたいと思う。

なぜ人事担当と研究者の間に摩擦が生まれるのか?

少し差別的な言い方になるが、人事部と研究部の人間では同じ日本人であっても「人種が違う」と考えて接した方が「マネジメントは上手くいく」いう意見もある。

例えば、羽田空港から4時間飛行機に乗ってフィリピンに行くと、わずか数時間前の常識が非常識になる事も多い。例えば、トイレットペーパーは流さず便器の横のゴミ箱に捨てる。万が一流そうものなら詰まらせてしまい恥ずかしい思いをする羽目になる。

新興国では、バイクの3人乗りやノーヘルは当たり前。コンセントの形状や電圧が違うため、日本の家電が使えなくて困った経験がある人も少なくないと思う。近所のコンビニで当たり前に使える日本円はそのままでは使えない。そもそも「こんにちは」すら通じない。

わずか数時間のフライトで、私達日本人の常識は全く通用しなくなる。ここまで極端でないにしろ、学生時代より研究室にこもって勉強一筋の研究者と、彼らをマネジメントする人事部の人間との間には、大きすぎる温度差があると考えている方も多い。

これまで多くの研究者のマネジメント研修を行ってきたが、毎回驚かされることが多い。

ある大手の研究室のリーダーと会話をしていて驚いたのだが、彼らには部下を育てるという認識自体がなかった。「僕が部下を育てるとは知りませんでした」と真剣に言われた事もある。

また研究所のリーダーは部下に命令して良いと思っておらず、同時に部下は、命令されるとも思っていない。

まず大前提になるが、大抵の研究開発のリーダーやマネージャーは「部下を持ちたくないのに持たされている」と感じていることだ。また、彼ら研究者の間には、他の部署と違い部下と上司の違いというものが存在しない。つまり研究者同士は対等だと思っているのだ。

中には「好きな研究さえできれば給料はどうでも良い」と思っている研究者もいる。

これでは、いくら我々が「リーダーとして頑張って昇進して下さい」と伝えた所で、進学に全く興味のない子供に「頑張って勉強して良い会社に就職しなさい」と言っているのと大差はない。これではコミュニケーションに摩擦が生まれ、そこから問題が発生するのも当然である。

今このレポートをお読みの人事部の方は、研究者に指示を出している時に「バカにされている」「話が通じない」と感じたことがある人も少なくないのではないだろうか?

「言語が違う」と言ってしまったら流石に失礼だが、ある意味でそれ位の温度差があると思って接した方が遥かにうまくマネジメントが出来るケースもある。

これまで数多くの研究者のマネジメントやコーチングを担当させて頂いたが、その際にリサーチした人事部と研究室の致命的な摩擦と、その解決策について次のレポートで更に詳しく解説していこうと思う。

【レポート】研究室を変える唯一の方法は「コミュニケーション」にあり。具体例を交えた「研究室のイノベーション」を実例を交えたレポートとしてまとめました。

「研究室での劇的ビフォーアフター」(PDF版)

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