
新型コロナウイルス(COVID-19)が蔓延し、今や多くの業界に計り知れない影響を与えています。この影響を大きく受けている業界のひとつに音楽業界があります。2月末に自粛要請が出され、ライブやイベントが軒並み中止・延期に追い込まれている状況です。大勢の前でのパフォーマンスが許されない今だからこそ、アーティストたちはライブ配信や映像公開など様々なかたちで私たちに発信してくれています。こちらの記事では、それらの事例をまとめてみました。
坂本龍一、aiko、ジャニーズ事務所まで
多くのアーティストが無観客ライブを配信
坂本龍一さんは「家にずっといるのは本当に辛いですよね。 今日少しでもほっとしてもらえたら」という想いから、 先日dTVにて無観客ライブを生配信。aikoさんも、 予定であればツアーファイナルとなる予定だった3月8日に、 YouTubeにてライブを配信しました。そしてジャニーズ事務所までもが、 公式YouTubeチャンネルにて“Johnny's World Happy LIVE with YOU”を配信。 こちらの動画は、公開から一週間ですでに600万回以上の再生数になっています。 その他にも本当に多くのアーティストが無観客ライブの配信や 過去のライブ映像の公開を行っており、 私たちにまた違ったかたちで音楽を絶えず届けてくれています。
投げ銭システムや電子チケット制の
ライブ配信を行うアーティストも
3月に電子チケット制でライブを生配信し、大きな話題を呼んだのは3人組バンドのcero。 電子チケット販売プラットフォームZAIKOに登録し、チケットを購入、このZAIKOアカウント内でのみ配信URLが視聴できるというもの。ライブ時間は約一時間、チケット代金は1,000円で設定され、応援投げ銭のシステムも導入していたようです。ceroが所属するカクバリズムの角張渉氏は下記のようにコメントしていました。
❝今回は初の試みになりますが、電子チケット販売プラットフォー「ZAIKO」に協力してもらって実現した、有料チケット制によるライブ配信になります。コロナウイルスによるライブ、イベント自粛が続くなかで、僕らなりに考えまして、等価を超える気合の入った最高のライブを有料の配信という形で開催します。もちろん無料で配信したい気持ちも重々あるのですが、有料でのライブ配信を開催するに至ったのは、いつまでこの状況が続くかも見えない中で、この有料配信が少しでも形になれば、全国のミュージシャン、ライブハウス、さらには演劇関係者など皆さんの活動の基礎となる部分をフォローできる、ひとつ明るい材料になるのではないかなと考えたからです。これがほんと素直なところです。(抜粋)❞

このように有料配信の場合には、チケット購入というかたちでアーティストへの応援が目に見えるので、ファンとしても“大好きなアーティストのために力になれている”と感じられるのは、とても嬉しいことですよね。 音楽情報メディアのSpincoasterでは、DIYライブ配信メソッドのノウハウを提供されています。こちらのSpincoasterでも視聴FREE、投げ銭システムありのShin Sakiuraのライブが配信されたばかりです。投げ銭はYouTubeのスーパーチャット以外にも、PayPalでの決済やAmazonからもギフトカードを購入することで応援が可能となっていました。最近は新たなライブ配信の動きが数多く見られています。

https://spincoaster.com/how-to-live-streaming
音楽レーベル/マネジメントの
origami PRODUCTIONS代表の対馬芳昭氏が
立ち上げた寄付「White Teeth Donation」
先日、自己資金の2,000万円を所属アーティストに対してではなく、音楽シーンに全てを寄付すると発表した対馬氏。“自分たちのいるフィールド(畑)を耕す事。それはいずれ私たちレーベルにも帰ってくると思っています。”とコメントされています。まずは半分の1,000万円を、生活の危機が迫っている音楽関係者に分配するとのこと。対馬氏のnoteに、ご本人の言葉でこのドネーションを立ち上げた想いや、詳細が書かれています。
またこちらのorigami PRODUCTIONSでは、以前からすでに「origami Home Sessions」を開始。レーベル所属アーティストが、ライブができず収益が当面見込めないアーティストへ 楽曲を無償提供し、そのデータを使用しコラボソングを作成、ネットへのアップやリリースも可能。収益は全てリリースしたアーティストに提供されるというもの。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により危機的状況に陥る音楽業界で、こういった活動もいち早く行っていたのがorigami PRODUCTIONSでした。

http://ori-gami.com/home-sessions/
音楽業界関係者を中心として立ち上がった署名活動
「# Save Our Space」
ライブハウスや劇場など休業を余儀なくされた文化施設に対し、助成金の交付を求めたのがこの「# Save Our Space」署名運動。水原希子さんやASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんら著名人をはじめ、30万を超える著名が集まり、国に提出されました。会見では「今サービス業は全ての業種がSave Our Spaceであって然るべきだし、その声を上げないといけないと思っています。」と音楽業界に限らず様々な業種に対する想いもみられました。
星野源「# うちで踊ろう」
Instagramに「家でじっとしていたらこんな曲ができました。」というコメントとともに投稿された動画#うちで踊ろう。「この動画に伴奏やコーラス、ダンスなどを重ねてくれないかな?」と星野源さんが呼びかけ、三浦大知さんを始め音楽業界に限らず、今や石田ゆり子さんやバナナマンさんなど多くの有名人たちが参加しています。暗いニュースばかりの今、“元気がでました”“感動しました”といった多くの声が寄せられています。
サカナクション「NICEACTION」
『サカナクションは今までも、これからも、様々なアクションを起こしていきます。日々の活動に対して、「良いな」と思ったときに「NICEACTION」で応援してください。』とし、1口100円からサカナクションを応援できるシステムを公開しています。サカナクションの山口一郎さんは投げ銭に対してまた少し違った考えを示しており、「音楽っていいなって思って、衝動的に課金するものじゃない気がしている」「すごく自分が救われたとか、楽しかったとか、ライブが全部終わった後に感じるもののような気がするんですよね。」とのこと。サカナクションのNICEACTIONページはWEBページにわざわざ行って、よっぽど応援したいっていう人だけがたどり着けるシステムだそうです。
世界レベルでは、メジャーレコード会社として初めてユニバーサルミュージックが音楽業界への支援を発表したり、Spotifyも音楽コミュニティへの支援や各アーティストへの募金機能の追加も検討しているといいます。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、苦しい状況に追い込まれている音楽業界・アーティストたちですが、“今だからこそ”各々が思うやり方で「音楽」を守りつつ、発信し続けてくれています。私たちも、その想いを受け取りながら「音楽全体」を応援していきたいですね。
私たち、南青山タレントプロモーション株式会社は、所属アーティストに限らず全てのアーティストを支援いたします。